日本人配偶者が離婚した場合の定住ビザ取得

1.配偶者ビザの方が離婚した場合の入管手続き

1.配偶者に関する届け出
日本人と婚姻関係にあり配偶者ビザ(正式には在留資格「日本人配偶者等」)を取得していた外国人が離婚・死別した場合、まずは14日以内に入管に配偶者に関する届け出を提出しなければなりません。
2.届け出方法
届出には、以下の3つの方法があります。
1.オンラインでの届け出
出入国在留管理庁電子届出システムを利用すれば、入管に行く必要もなく簡単です。
2.入管窓口での届け出
最寄りの地方出入国在留管理官署で、在留カードを提示の上で、届出書を提出します。
3.入管へ郵送での届け出
届出書に在留カードの写しを同封し、封筒の表面に朱書きで「届出書在中」又は「NOTIFICATION ENCLOSED」と記載の上、次の宛先に送付します。
東京都新宿区四谷1丁目6番1号四谷タワー14階
東京出入国在留管理局在留調査部門届出受付担当
3.配偶者に関する届出を出し忘れた場合の影響
配偶者に関する届出を出し忘れた場合、その後の在留資格変更・更新申請に影響が出る可能性があります。
在留資格変更・更新申請の条件は出入国在留管理庁が公表している「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」に記載されていますのでご紹介します。
許可要件が1から8まで並んでいますが、この中の8番目の項目です。
8.入管法に定める届出等の義務を履行していること
出典:在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(令和2年2月改正)
入管法上の在留資格をもって我が国に中長期間在留する外国人の方は,入管法第19条の7から第19条の13まで,第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出,在留カードの有効期間更新申請,紛失等による在留カードの再交付申請,在留カードの返納,所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。
この所属機関等に関する届出の中に配偶者に関する届け出も含まれています。
現在(2023年)のところ、この届け出を忘れていることで不許可となったケースはまだ聞きませんが、更新申請で不利益な扱いを受けるケースがでてきていますので注意が必要です。
2.配偶者ビザの方の離婚後のビザ

現在の在留資格が日本人の配偶者等である場合には、日本人と婚姻していることが日本での在留の条件となっているため、離婚や死別などの際には何らかの別の在留資格に変更しなければなりません。
在留期間がまだ残っている場合、離婚後も一定期間は適法に在留資格「日本人の配偶者等」で在留することが可能ですが、6ケ月が経過すると在留資格取消の対象になります。
再婚する場合
離婚後に再び日本人や永住者と結婚する場合、新しい配偶者ビザの申請を行うことができます。ただし民法上、離婚から100日(令和6年4月1日以降の婚姻には不適用)を経過した後でなければ再婚することはできませんので、再婚のタイミングは注意が必要です。
就労ビザへの変更
大学卒業の経歴がある方は離婚後に就職し、技術人文知識国際業務のビザを取得するケースもあります。また、自らビジネスを立ち上げるために経営管理ビザを取得する方もいらっしゃいます。
定住者ビザへの変更
日本での結婚生活が長く、離婚後も生活の拠点が日本にあると認められる場合や、日本人との間に日本国籍の子供がいて日本で扶養を続けていく必要がある場合などには、日本人の配偶者等のビザから定住ビザへの変更が認められるケースがあります。
3.配偶者ビザから定住者への変更の要件

「定住者」は法務大臣が個々の外国人について特別な理由を考慮して日本での居住を認める在留資格とされています。取得要件としては以下のようなものがあります。
①日本人、永住者、または特別永住者の配偶者と離婚または死別後も引き続き日本に在留を希望する者
ア 独立の生計を営むに足る資産または技能を有すること
イ 日本人、永住者、特別永住者の間に出生した子を日本国内おいて養育しているなど、
在留を認めるべき特別な事情を有していること
ア 独立の生計を営むに足る資産または技能を有すること
イ 実子の親権者であること、および現に日本国内において相当期間その実子を養育看護
していることがみとめられること
1.生計要件
「定住者」への変更には、「独立の生計を営むに足る資産または技能を有すること」という要件を満たす必要があります。
つまり、仕事を見つけるか、十分な資産を持っていることを証明しなければなりません。
しかし、離婚や死別というものは、多くのケースでは前もって準備できるわけではなく、そのときの状況しだいで突然に遭遇するものです。そのため、資産についての証明ができずに不許可となる事例も多く見られます。
離婚・死別後にすぐに就職先を見つけ一定の収入を確保することは、そんなに簡単なことではありません。特に「日本人の配偶者等」などの場合には、日本人との婚姻が解消された場合には、速やかに在留資格の変更手続きを行うように求められています。
仕事が見つからないという理由で、ずるずると6ヶ月や1年後にビザ変更をしようとしても、「離婚・死別から今までの間、何をしていたのか?」ということが問題となることもあります。就職先を見つけるのであれば迅速な行動が求められます。
また、就職はせず、すでに十分な資産持っていることを証明する場合に問題となるのは、具体的な金額です。
仮に1000万円を持っていたとしても、それを切り崩して生活すれば2~3年で使い果たしてしまいます。また、一定の金額を投資して配当などで生活をする場合には、今までに何年ぐらいの投資家としての実績があるのかについて証明を求められたケースもあります。
そのため、今後、日本で生活するにおいて、どのような生活設計を考えているのかを具体的に説明しなければなりません。
2.日本での滞在年数
「定住者」への変更が認められる特別な事情には、結婚による日本での滞在年数が相当期間あり、母国に帰っても生活の基盤を築くことが難しいケースも含まれると考えられます。
それ以外の場合にはなぜ日本に滞在したいのかという理由を明確にしなければならず、許可となる可能性も低くなるケースが多いようです。
また、相当期間の婚姻生活とは、一般的には5年程度の期間が必要とされていますが、明確に期間が定められているけではなく、7年間でも不許可になる例、逆に3年程度の婚姻期間でも許可となるケースも見られます。
3.実子の有無
離婚・死別後に日本人の子供を親権者として養育するケースでは「定住者」への変更が認められる可能性が大きいです
4.婚姻中の素行
婚姻期間中に長期にわたり海外に滞在している場合や、別居して風俗店で働いていたなど素行に問題のある場合も許可取得は難しくなります。
4.配偶者ビザから定住者への変更許可・不許可事例

こちらは入管が発表している許可・不許可事例です。詳細は以下のページをご覧く ださい。
1.許可事例
性別 | 女性 |
---|---|
本邦在留期間 | 約6年 |
前配偶者 | 日本人(男性) |
婚姻期間 | 約6年6か月 |
死別・離婚の別 | 離婚 |
実子の有無 | 日本人実子あり |
・親権者は申請人 ・日本人実子の監護・養育実績あり ・訪問介護員として一定の収入あり |
性別 | 女性 |
---|---|
本邦在留期間 | 約5年1か月 |
前配偶者 | 日本人(男性) |
婚姻期間 | 約3年 |
死別・離婚の別 | 事実上の破綻 |
実子の有無 | なし |
・ 前配偶者による家庭内暴力が原因で婚姻関係が事実上破綻 ・ 離婚手続は具体的に執られていない状況にあったものの,現に別居し双方が離婚の意思を明確に示していた ・ 看護助手として一定の収入あり |
性別 | 女性 |
---|---|
本邦在留期間 | 約8年1か月 |
前配偶者 | 日本人(男性) |
婚姻期間 | 約4年5か月 |
死別・離婚の別 | 離婚 |
実子の有無 | 日本人実子あり |
・ 前配偶者による家庭内暴力が原因で離婚 ・ 前配偶者による家庭内暴力により外傷後ストレス障害を発症 ・ 親権者は申請人 ・ 日本人実子の監護・養育実績あり |
2.不許可事例
性別 | 女性 |
---|---|
本邦在留期間 | 約4年1か月 |
前配偶者 | 日本人(男性) |
婚姻期間 | 約3年10か月 |
死別・離婚の別 | 死亡 |
実子の有無 | なし |
・ 単身で約1年6か月にわたり本邦外で滞在 ・ 本邦在留中も前配偶者と別居し風俗店で稼働 |
性別 | 女性 |
---|---|
本邦在留期間 | 約3年4か月 |
前配偶者 | 日本人(男性) |
婚姻期間 | 約1年11か月 |
死別・離婚の別 | 離婚 |
実子の有無 | なし |
・ 前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てた2回目の離婚 ・ 初回の離婚時に前配偶者による家庭内暴力を受けていたとして保護を求めていたが,間もなく前配偶者と再婚 ・ 前配偶者との婚姻期間は離再婚を繰り返していた時期を含め約1年11か月 |
性別 | 女性 |
---|---|
本邦在留期間 | 約3年3か月 |
前配偶者 | 日本人(男性) |
婚姻期間 | 約2年1か月 |
死別・離婚の別 | 離婚 |
実子の有無 | なし |
・ 前配偶者の家庭内暴力による被害を申し立てて申請 ・ 日本語学校に通うとして配偶者と別居したが,風俗店に在籍していたことが確認されたもの ・ 婚姻の実体があったといえるのは,約1年3か月 |
5.配偶者との離婚・死別でよくあるQ&A
- 亡くなった夫の財産を私に渡さないために、日本人の親族から「早く国に帰れ」といわれて困っています。どうしたらいいですか?
- 日本人だろうが外国人であろうが、あなたが奥さんであることには間違いはありませんから、遺産を相続する権利は十分に認められます。
さらに国に帰るかどうかを決めるのは本人であって、親戚の人は関係ありません。
相続については外国人の方が法律に詳しくないことを利用して、周囲の人から都合のいいことを言われることがありますが、そのような時は迷わずに専門家に相談してください。
- 離婚することになりましたが、日本人との婚姻期間が2年しかありません。この後も日本に残ることは可能ですか?
- 日本人との離婚後に「定住者」などの在留資格へと変更を行うには、一般適には婚姻期間が4~5年程度は婚姻期間が必要といわれています。
そのため「定住者」への変更は難しいと言わざるを得ませんが、あくまでも個々の状況に応じて申請が行われます。
ACROSEEDでも婚姻歴が数年しかない人に「定住者」が許可された例もあり、一概には判断できません。
他の在留資格への変更も視野にいれながら、総合的に日本に残ることを考えたほうが良いでしょう。
- 日本人と離婚してから1年が経過してしまいました。3年のビザをもらっていますが、問題はありませんか?
- 在留資格取り消し制度というものがあります。
これによれば、正当な理由なく6ヶ月以上日本人の配偶者としての活動を行っていない場合には、在留資格が取り消されることになります。
したがって、ビザが残り1年以上残っていても、なるべく早く在留資格の手続きを行った方が良いでしょう。
- 亡くなった夫は小さな会社を経営していましたが、1億円近い借金があることがわかりました。妻である私はこの借金も支払わなければならないのでしょうか?
- 日本では多額の借金などがある場合には、相続放棄を行なうことができます。
相続放棄をすれば借金などのマイナスの資産を引き継がなくてもいい反面、家や自動車などのプラスの資産も引き継ぐことができなくなります。
1億円の借金があっても、家や株式などの他の資産が多ければ、相続した方が得になることもあります。
まずはプラスとマイナスの資産を正確に評価することが必要です。
6.定住者ビザ取得の流れ/目安となる審査期間
-
1
- 無料相談
- 定住ビザへの変更の許可率を診断し、問題点を確認します。ご相談は①お電話②メール③オンライン(Skype、Zoom、Line、We chat)④ご来社のいずれかで行っております。まずはお電話かメールでお問合せ下さい。
-
2
- 業務のご依頼
- 業務のご依頼いただける場合は、契約書を取り交わし、ご入金を頂いた時点で業務に着手させていただきます。
-
3
- 申請書類の作成
- 過去の経験から最も許可率が高くなると思われる書類を準備、作成してまいります。お客様には弊社が作成した書類をご確認後、ご署名を頂きます。
-
4
- 入国管理局への申請代行
- お客様に代わり、ACROSEEDの行政書士が入国管理局へ申請を行います。
審査上問題がなければ、およそ1ヶ月から2ヶ月ほどで審査が終了します。
-
5
-
6
- 在留カード・パスポートご返却
- お預かりした在留カード・パスポートご返却をお客様にご返却して業務終了となります。
7.日本人との離婚後に定住ビザを取得されたお客様の声
![]() |
VOL.162 C様(中国) |
離婚後の定住者ビザ取得 |
![]() |
VOL.145 O様(フィリピン) |
定住者ビザ取得 |
![]() |
VOL.131 Jensen様(オーストラリア) |
定住ビザの取得 |
![]() |
VOL.127 C様(中国) |
日本人と離婚後の定住ビザ取得 |
![]() |
VOL.126 M様(ポーランド) |
日本人と離婚後の定住ビザ取得 |
![]() |
VOL.123 C様(ベルギー) |
定住者ビザ取得 |
8.配偶者ビザから定住ビザへの変更サービスのご紹介
1.サービス概要
本サービスは日本人配偶者等の在留資格をお持ちの方が離婚・死別した場合に出入国在留管理庁から「定住者」の在留資格を取得するためのサービスです。
お客様の許可率を最大限に引き上げ、スムーズに配偶者ビザ取得ができるようサポートさせていただきます。
以下のケースに対応しております。
・日本人との間に日本国籍の子供がいて日本で扶養を続けていく必要がある場合
2.サービスに含まれる内容
- 最も許可率が高くなる提出書類のご提案および作成
- 出入国管理局への申請・許可時の証印手続き代行
- 再入国許可の同時取得(ご希望の方)
- 審査期間中の進捗状況の確認や追加書類提出の対応
- 不許可の場合の無料再申請
- 3年の期限のビザを取得するためのアドバイス
3.ACROSEEDに依頼するメリット
- 開業1986年、業界最多レベル33,000件のビザ申請実績
- 許可率99.2%、多くのお客様に支持された安心サービス
- 交通費ご負担なし!一律価格で全国対応
- 難しい案件、不許可案件の再申請も許可実績多数
- 追加料金なし!明瞭な料金システム
- 不許可の場合は無料再申請で許可取得まで徹底サポート
開業1986年、業界最多33,000件のビザ申請実績

行政書士法人ACROSEEDは1986年開業、法改正により行政書士に入管業務が開放された1990年の初年度から、申請取次行政書士として入管業務を専門に扱い、延べ申請件数は33,000件(2023年4月)を超えます。
現在は年間2000件~3000件のビザ申請業務を扱うため、週に2回入管申請を行い審査状況や最新の法改正への対応などを確認しています。
ACROSEEDにご依頼頂いた場合には、最新の入管の審査状況を熟知した、業界で一番豊富な実務経験によるサービスをご利用いただけます。
許可率99.2%、多くのお客様に支持された安心サービス
行政書士法人ACROSEEDは、1986年の開業当初よりお客様の信頼にお応えするサービスのご提供を常に心掛けてまいりました。そのため、無料相談の段階で許可の可能性がない案件はお客様にご説明の上業務をお断りしています。
その結果、開業以来、常に99%以上(再申請を含む)の許可率を誇っております。
ただし、難しくても許可の可能性があり、かつ、お客様が申請を強くご希望する場合にはお客様と共に最大限のチャレンジをすることもございます。
お客様のご事情やご要望にあわせたACROSEEDの丁寧なサービスは多くのお客様から支持されています。

お客様の声
ACROSEEDでビザの許可を取得されたお客様からコメントを頂きました。ビザの種類別にご覧いただけます。
交通費ご負担なし!一律価格で全国対応

行政書士法人ACROSEEDのオフィスは東京都千代田区の永田町にありますが、全国の入管業務を交通費等を頂くことなく一律料金でお引き受けしています。
また、遠方のお客様にはSkypeやZoom等のシステムを利用したオンライン相談もご利用いただけますので、ご来社頂くお客様と同様に担当者の顔を見ながらマンツーマンでご相談や業務のご依頼をいただけます。
難しい案件、不許可案件の再申請も許可実績多数
ACROSEEDではご自身で申請して何度も不許可になった案件、他の行政書士事務所で不許可になった案件の再申請で多数の許可取得実績があります。
ACROSEEDの業務実績は業界でも他に類を見ないことで知られており、同業他社で不許可になった案件や専門家でも判断が難しい案件など全国からご紹介やお問い合わせを頂き、業界の総合病院のような機能も果たしています。
難しいと思われるケースも諦めずにご相談ください。

不許可後にACROSEEDにご依頼されて許可を取得したお客様の声
ご自身で申請して何度も不許可になった案件、他の行政書士事務所で不許可になった案件の再申請で多数の許可を取得しています。
追加料金なし!明瞭な料金システム
ACROSEEDのサービス料金はWEBサイトに記載のある金額のみです。
出国日数が多い、不許可歴がある、交通違反歴があるなど、お客様の状況によって料金を追加することはございません。
明瞭な料金システムでお客様に安心してご利用いただけるサービスをご提供しています。
不許可の場合は無料再申請で許可取得まで徹底サポート
ACROSEEDで申請した案件が万が一不許可となった場合には、お客様への補償として許可の可能性がある限り無料にて再申請を行うことにしています。
最近の同業他社の傾向として「不許可であれば全額返金」とするケースが多いようですが、私たちは「返金をしてもお客様の問題の解決には至らない」と考えています。
なぜならば、安易に業務をお引き受けしお客様の申請履歴に不許可の経歴を残してしまった場合、再申請で許可をとることが一段と難しくなってしまうからです。
数多くある行政書士事務所の中でACROSEEDを選んで頼ってきてくださったお客様には「最短でビザの許可をとって喜んで頂く。そして不許可の場合は許可がとれるまで徹底的にサポートする」という姿勢で業務をお引き受けしております。
4.定住者ビザ申請代行費用(税別)
・お客様の条件による追加料金等は一切ございません。
・ACROSEEDのサービスは全国対応です。遠方のお客様も下記料金で業務をご依頼頂けます。
・ビザカード、マスターカードによるお支払いも可能です。
配偶者ビザから定住ビザへの変更 | 150,000円 |
---|
1986年の開業以来、日本入国や不法滞在でお悩みの方に出入国在留管理庁での各種手続きを40年近くサポートしています。
電話相談、メール相談、オンライン相談、ご来社での相談が可能です。また、英語対応も可能です。