永住権の要件を完全解説【2025年版】
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永住権(永住ビザ)は、日本での生活を期限なく継続でき、在留資格の更新や転職の制限がなくなる極めてメリットの大きい在留資格です。
一方で、申請にあたっては素行要件・独立生計要件・国益要件を中心とした厳格な審査が行われます。年収や税金・年金の納付状況、在留年数、現在の在留資格の最長期間かどうかなど、複数の観点で総合的に判断されます。
このページでは、永住申請で特に確認されるポイントを最新のガイドラインに基づき、できるだけわかりやすく整理します。
まずは、代表的な永住権取得の要件から見ていきましょう。
1.一般的な永住権取得の要件
永住ビザ取得の条件は出入国在留管理庁が公表している「永住許可のガイドライン」にわかりやすく記載されていますのでご紹介します。
(1)素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民の認定を受けている者の場合には、(2)に適合することを要しない。
出典:永住許可に関するガイドライン(令和5年4月21日改定)
1.素行が善良であること
これは、あなたが日本のコミュニティの信頼を勝ち取ることともいえます。たとえば、交通違反がないか、過去に大きな法的トラブルに巻き込まれていないかなどです。
永住申請における交通違反歴の影響については以下のページに詳細をまとめております。よろしければご参照ください。

永住申請と交通違反
罰金刑・青切符・赤切符は不許可になる?【行政書士が解説】
2.独立生計要件
あなたが日本での生活を支える能力を持っているかどうかということです。例えば、安定した収入や十分な資産を持っているかなどです。
ここでいう収入や資産には、自分の年収以外に家族の収入も含めた世帯で見た場合の経済的安定性が問われます。入管は明確なミニマムラインを設けていませんが、一般的な目安として、年収300万円以上などが言われています。
永住申請における年収の条件については以下のページで詳細を解説していますのでご参照ください。

永住権の年収300万は本当に必要?
永住権申請の年収条件とは?300万円の基準について行政書士が解説
3.国益との合致
ここでは10年以上日本に滞在、かつ、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることや公的義務をしっかりと履行していることなどが求められます。
公的義務とは、税金の支払いや年金・医療保険料の納付などです。
永住申請における税金、年金、健康保険の未納の影響については以下のページに詳細をまとめております。よろしければご参照ください。

永住申請と税金・年金・健康保険の未納
未納や支払い遅延がある場合の永住申請への影響・必要書類・対策
また、よくご質問を頂くのが、ウの「現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること。」についてです。
現在の入管法ではほとんどの在留資格が最長5年となっていますが、5年の在留期間のビザをもっていないと永住申請はできないのかということです。
結論からいいますと、3年または5年の在留期間のビザをお持ちの方であれば永住申請は可能です。また、永住申請をご家族で同時にする場合、申請のメインとなる方が3年または5年のビザをお持ちであれば、扶養されているそのご家族は在留期間が1年のビザであっても問題ありません。
| 要件区分 | 評価ポイント | よくある不足 | 補強/対策の例 |
|---|---|---|---|
| 素行要件 | 違反歴・罰金刑の有無、交通違反の程度/頻度 | 軽微な交通反則が複数年にわたり散在 | 反省/再発防止の具体策・期間、遵法性の立証 |
| 独立生計要件 | 世帯での安定収入/資産(実務目安:年収300万円前後) | 単年で300万円をやや下回る | 複数年推移・配偶者収入合算・預貯金/家賃補助等の立証 |
| 国益要件 | 原則10年在留(就労/居住5年以上)・最長在留期間・公的義務履行 | 年金/税の短期未納・最長在留期間未到達 | 未納の完納/追納・納付証明の提出・緩和類型の活用 |
2.10年在留の条件が緩和される方
永住申請は上記のとおり原則として10年以上の日本での滞在期間かつ5年以上の就労または居住資格で在留していることが求められますが、以下の条件に該当する方は滞在年数が緩和されています。
(1)日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
(3)難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること
(4)外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること
※「我が国への貢献」に関するガイドラインを参照して下さい。(5)地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること
(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。) に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ 3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。(8)特別高度人材の基準を定める省令(以下「特別高度人材省令」という。)に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの
出典:永住許可に関するガイドライン(令和5年4月21日改定)
ア 「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基準に該当することが認められること。
1. 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者
日本人または永住者の配偶者として、以下の条件を両方満たしている場合、永住ビザを申請することが可能です。
・引き続き1年以上日本に滞在
実体を伴った婚姻生活が3年以上というのは日本での婚姻生活に限りません。海外で生活していた場合でも年数に含まれます。したがって、2年以上の海外での婚姻生活後に、日本に移住して1年後に永住ビザを申請するようなことも可能です。
また、実体を伴う婚姻生活とは、偽装結婚を疑う余地のないことです。
当然ながら別居や頻繁に海外の実家に帰るなどの行為がある場合には永住申請が難しくなります。
日本人配偶者等(永住者の配偶者等)から永住申請する場合の最新情報は以下のページをご覧ください。配偶者ビザの方向け永住要件セルフ診断ツールもご利用いただけます。

日本人配偶者の永住申請ガイド
日本人配偶者ビザから永住申請する方向けに、要件・書類・不許可事例を解説。配偶者ビザの方向け永住要件セルフ診断ツールもあります。
2.定住者
定住者ビザを取得後,引き続き5年以上日本に在留している場合が該当します。ただし、過去に日本人の配偶者等の在留資格だったが日本人と離婚や死別後に定住者ビザを取得された方は、日本人配偶者等の期間と合計で5年以上の滞在があれば要件を満たします。
定住者から永住申請する場合の最新情報は以下のページをご覧ください。定住者ビザの方向け永住要件セルフ診断ツールもご利用いただけます。

定住者ビザから永住申請(永住許可)ガイド
定住者ビザから永住権(永住許可)を取得したい方向けガイド。定住者の方向け永住要件セルフ診断ツールもあります。
3.難民認定を受けた方
難民認定後、5年以上日本に滞在していることが条件です。難民申請中の滞在は対象外となります。
4.日本への特別な貢献をした方
入管のガイドラインに基づく「日本への貢献」に該当し、5年以上問題なく日本に滞在していることが条件です。具体的にはノーベル賞や国民栄誉賞などを授与されたり、同等の活躍をされている方が対象となりますので、一般の方が該当するケースはほとんどありません。
5.特定地域の機関での貢献者
地域再生法に基づく特定の区域の機関で、3年以上継続して在留し、貢献をしていることが条件です。こちらも該当するケースは数少ないと思われます。
6.高度専門職で70点以上の方
イ 3年以上継続して日本に在留している人で,永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること
ここで重要なポイントは、現在高度専門職の在留資格でない方も高度人材ポイントの要件と在留要件をクリアしていれば、この特例に該当するということです。
たとえば、現在は技術・人文知識・国際業務の在留資格をお持ちの方がポイント計算をしてみたら70点をクリアしていて、その状態が3年前から継続されている場合には、永住申請ができるわけです。
一般的な永住要件である10年滞在、就労資格で5年以上滞在の要件に比べると滞在要件がかなり緩和されます。
7.高度専門職で80点以上の方
イ 1年以上継続して本邦に在留している人で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること
高度人材のポイントが80点をクリアしている方はさらに滞在要件が緩和され、最短1年で永住申請ができるようになります。
高度人材ポイントの計算を試してみたい方は以下のページをご覧ください。ポイントの自動計算機能もございます。

高度人材ポイントでの永住ビザ取得
高度専門職のビザを取得したい方、高度人材ポイントで永住権を取得したい方を対象としたサービスです。
永住権取得の要件Q&A
Q1. 現在の在留期間が「3年」ですが、永住申請はできますか?
はい、可能です。原則として「現に有している在留資格で最長の在留期間で在留していること」が求められますが、資格ごとに最長が3年または5年と異なります。現在3年が当該資格の最長であれば問題ありません。
また、ご家族が同時申請する場合、主申請者が3年(または5年)の在留期間であれば、扶養家族が1年でも差し支えない取扱いがあります。
Q2. 年金の「免除・猶予・学生特例」期間は、未納として不利になりますか?
免除・猶予・学生特例は適法な手続による取扱いであり、直ちに未納とは評価されません。ただし、審査では「公的義務の適正な履行」が重視されるため、期間・理由・申請時のステータスを説明できるようにし、追納可能分は計画的に追納しておくと安心です。提出資料例:年金保険料納付状況の証明、追納計画のメモ等。
Q3. 海外出張や一時帰国が多い場合、在留年数(原則10年)のカウントに影響しますか?
短期・断続的な出国は通常問題になりにくいものの、長期連続の出国や、在留資格の活動実態が日本にないと疑われる状況は不利に働くことがあります。
出張の目的・期間・頻度、雇用実態(日本の事業所に基盤があること)を説明する資料(辞令、行程、雇用契約/給与の日本払い等)を揃え、日本での生活・納税・社会保険加入の継続を示すとよいでしょう。関連:在留歴が心配な方向けQ&A
Q4. 扶養家族が多く年収は300万円前後です。独立生計要件を満たせますか?
就労系の在留資格(技人国、経営管理、高度専門職など)の場合は年収300万円以上は必須条件です。それに加え扶養家族1名につき70万円程度の加算が必要となってきます。
一方、身分系の在留資格(日本人配偶者、定住者など)の独立生計要件は世帯の総合評価なのでご本人の年収が300万円に満たない場合でも許可の可能性はあります。
関連:永住権取得の年収300万円基準
Q5. 交通違反や軽微な罰金歴があります。永住は不利になりますか?
軽微な違反が単発で、その後に再発防止が明確であれば直ちに不許可とは限りません。一方、反復性・悪質性があるとマイナス評価です。違反からの期間、交通安全講習の受講、社内規程の周知徹底など、遵法姿勢を示す補強が有効です。関連:交通違反と永住申請の影響
4. 永住権取得の要件のまとめ
永住権(永住ビザ)の審査は、素行・安定した収入・公的義務の履行・在留年数など、多角的な観点から総合評価されます。単に「年収がいくら」「何年在留している」というだけでは判断されず、各項目のバランスが重要です。
たとえば、年収が一時的に下がっていたり、税金や年金の納付が遅れた時期があったとしても、補強資料の工夫や立証方法により許可可能性が大きく変わる場合があります。
逆に、永住要件を満たしていない可能性が高いケースでは、申請時期を調整したり、先に別の在留資格変更を行うなど、戦略的な準備で不許可のリスクを下げることが可能です。
また、現在の在留資格が「就労ビザ」の方でも、高度人材ポイントが70点・80点を満たす場合には在留年数の緩和が受けられるため、早期の永住申請が実現できることがあります。
ご自身で判断しにくい状況こそ、法律と実務の両面に精通した専門家にご相談ください。最適な申請タイミングや必要な立証方法を具体的にご提案いたします。
5.永住申請でよく読まれるページ

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親子2代で外国人法務に特化し39年目を迎えます。
2001年 行政書士登録
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2023年 東京都行政書士会国際部員に就任
東京都行政書士会に所属する行政書士の育成と発展に貢献しています。
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