
ビザ申請の難しさ
ビザ申請で最も難しいのが、「完璧な正解がない」事です。
同じビザの申請であっても、その内容は案件ごとにすべて違うため、「この条件が揃ったときには必ず許可が出る。」というようにロジスティックに処理できる問題ではないからです。
また、法律などを調べればある程度のビザの許可基準は書かれていますが、その具体的な数値などはまったく記載がありません。例えば「安定した生活を営なむことができること」といった条件であれば、「安定した生活ってどういう状態を指すのか?」「年収はいくらあれば安定しているのか?」といったことは、入管の審査官以外は知りようがありません。さらに、このような詳細な判定基準はその時の社会情勢などを反映して、数カ月単位でどんどん変化していきます。ですので、極端な話では数年前までは同じ条件で取れたケースでも、今年は不許可になるといったこともあり得ます。
こうなると審査上の“微妙なさじ加減”的な部分がどうしても出てきます。これを把握するには継続的に多くの申請を絶えまなく行い、審査結果、不許可理由、追加資料の中身、事情説明で重点を置くポイントなどを絶えず把握し、その時々の入管の審査の加減を感じ取るしかありません。
そのため、誰でも判断できるような教科書通りの典型的な申請ケース以外では、どうしても曖昧な部分は残ってしまうことになります。